私の目が黒い内は体育祭に問題なんて……、
え?私に混ざれって?……ッ、今回だけですからね!
くろえ まいや
黒江 舞弥
クラス:3-D | 身長:160cm | 誕生日:1月13日 | 血液型:A型
部活動:吹奏楽部 | 委員会:体育祭実行委員会 | 赤組 | ペア:幸村精市
試験はいつも上位、教師の言うことをよく聞き、校則はきちんと守る。「しっかりしてる優等生」というレッテルを守るために必死な少女は、実のところ自由に青春を楽しむ周りの人間が羨ましくてたまらない。面白そうな騒動に首を突っ込み「やめなさい!」と怒号を散らすのは校内の風紀を守る為なんかじゃない。某お笑い芸人の「絶対に押すな」と同じだ。基本的にクールを気取っているが何事も詰めが甘く、成績が良いのは事実だが"しっかり"してるかは疑問が残る。推薦の内申点を稼ぐ為に体育祭実行委員の仕事には積極的だが、運動神経は壊滅的で、競技そのものはなんとかやりすごさねばと内心肝を冷やしている。
#d7003a/紅

1::「こんにちは〜!新聞部です!次の特集『実録!〜立海生のホンネ〜』インタビューにご協力頂けませんか?」

………なに?(昼休み、教室で勉強していた所にインタビュアーは現れた。怪訝そうな表情を浮かべながら相手を見て。)ホンネなんて、学業面?部活?私生活?学校生活がより実りがあるものになるような内容になっているかしら(なんて棘のある言葉を言いながら、内心ヒヤヒヤしていた。本心はその質問にあらず、)いいわ、私がちゃんとした質問内容になっているかチェックしてあげる。(──"面白そうね、喜んで。"の一言で済むはずなのに。)

2::「まずは自己紹介として、お名前に学年、部活や委員会などお教えください!」

無難なところから入るのは悪くないんじゃない?(なんとも言えない上から目線で回答スタート。)3年の黒江舞弥です。部活は引退したけど吹奏楽部で……楽器?フルートよ。(知ってる?とエアフルートの構えを見せつつ。)委員会は体育祭実行委員よ。え?学級委員長とかやってそうなのにって?(相手の問いに目を見開いた後、何かを思い出すようにゲンドウポーズ。)私だって内申を稼ぎたかったのだけれど……よりによって……委員会決めの日に……(ぷるぷる震えて、)熱を出して学校を休んだのよ……(この世の終わりみたいな顔をした。)

3::「ふむふむ、それでは趣味や今はまってることってありますか?」

お笑(いの動画を見ること、と即答しようとして飲み込んだ。ごほんと咳払い。)ご趣味は……ってお見合いみたいね……(取り繕うように質問内容に突っ込みつつ、)読書よ。恩田陸とか江國香織が好き。(ふう、と息を吐いて、無難な回答を残した。)

4::「ずばり!彼氏っていますか?いないなら好みのタイプとか教えてください!」

な、ななな、……不純よ。(色めきだつような話題に一瞬焦るも、ふうと深呼吸で落ち着きを取り戻して。)いないわよ。作る気もないし、タイプなんて……(素っ気なく言い放ったが、その後思案するように視線を巡らせた。たっぷり間を持たせた後、)……私なんかを好きになってくれるなら、誰でも。(頬を染めながら、ぼそりとそう答えて。)

5::「最後に!もうすぐ体育祭の準備が始まりますね。体育祭への意気込みをどうぞ!」

いき、ごみ(ひくりと表情筋が震えた。なにせ運動オンチなもので。)実行委員としての務めは精一杯果たそうと思っています。得点の集計とか結構早いのよ、私。(無難な返しで終わらせようとしたが、そうは問屋がおろさない。)競技?……そうね、足を引っ張らないように頑張ります。──具体的に言うと徒競走のときに「赤、頑張って下さい」みたいな遠回しな名指しで応援されないようにするわ。(真顔で眼鏡を押し上げた。女は本気だ。)

6::「ご協力ありがとうございました!次号の新聞配布、楽しみにしててくださいね!」

構成は悪くないんじゃない?いいインタビューにし……って、私の回答も載るの?待ちなさい、それならもう少し回答を練るから、待ちなさいよ…………!(満足げに去っていく相手を引き止めるのに失敗した。思えばいろいろ口を滑らせた気がする。)……終わった……。(私の内申点。その日の黒江は昼休みが終わるまで顔を覆ったままだという。)