…あ、あの…えっと。私…運動とか本当に苦手で…。 勉強と違ってやっても全然上手くならなくて…ど、どうしよう。 | |
こみね きこ | |
小峰 紀子 | |
クラス:2-E | 身長:152cm | 誕生日:2月4日 | 血液型:O型 部活動:美術部 | 委員会:体育祭実行委員会 | 白組 | ペア:ジャッカル桑原 | |
何をこなすにも要領が悪く常に周りとワンテンポ遅れをとってしまう。尚且つ人見知りが激しく、自らの意思を積極的に話す事を不得手とし、下げられた眉尻に、不安を潤ませた双眸は忙しなく相手の表情を読み取ろうと泳がせるのが常だ。小心者で友人の一歩後ろにひっそりと身を隠すように並ぶのが定位置となっていて頼まれると断れない正に『NO』と言えない日本人の典型で、控えめに紡ぐ二の句は怯えを含むたどたどしいものだ。運動神経が悪く幼少期から室内で読書を好んだり、机で教科書と向き合ってた時間が多かった為に成績は優秀。…優秀ではあるものの、時折、定期をなくしたり、財布を忘れたりと少々抜けてる一面も垣間見える。 | |
#be8f68/シナモン |
(過日の昼の校内放送を聞いてからの数日間は気鬱の日々だった。迫り来る体育祭を実感させられた為だ。一大行事として立海の伝統を築き上げてきた体育祭に闘志を燃やす生徒も多くはない。けれど幼少期からあらゆる運動に対して苦手意識を持った小峰は、所詮運動神経が悪いが故にここ数日間の溜息は増える一方だった。そんな心情を知ってか知らぬか、けたたましい騒音と共に現れた数人に取り囲むように距離を詰められた。)ひぇ…。…な、…なんですか…?へ?し、しんぶ…んぶ?…えっと、部活動おつかれさまです。…え?立海のホンネ…?な、なにそれ…?…へっ!いんたびゅ…?あ、私こういうの本当に苦手で…。えっと、私はずかしいし、記事として使えるような事なんて絶対言えそう になくて… 。(突然の訪問者の発言に狼狽すれば、戸惑い口が渇いて上手く紡げない科白をなんとか搾り出そうと試みながら後退したけれど、また新聞部に距離を埋められてしまえば「ひぇ〜」と声にならない悲鳴を上げた。)
あ…えっと。こ…小峰…紀子…です。(やや強引に進められたインタビューに対しても思わず返答してしまうのは性格故かもしれない。それでも控えめに紡がれた名前は新聞部の耳に届かず「え?」と聞き返されてしまった。声のボリュームを調整してもう一度。)小峰…紀子です。紀子って書いてキコって読みます…。小学生の時は『のろまのノリコ』とか『ノリコちゃん』って呼ばれてて…。あ、でも…別にどっちても…良くはないけど…。(左右に忙しなく泳がせていた双眸は一度下方にへと向けられた。そうして僅かに視線を戻して窺う様にちらりと周囲を一瞥させた後、)2年生です。美術部に所属してます。そ、それと…委員会は体育祭実行委員です…。…わ、わかってるんです。私が一番わかっ てるんで…その「え?体育祭実行委員?」って目やめてください…。(視線を逸らすように双眸は小峰自身の足元にへと落とされて。)
趣味…ですか?…あれ?あ、あの…そもそもこれってなんのインタビューなんでしたっけ…?(はて、と小首を傾げて冒頭の会話に思考を巡らせた。)あ。そうだ。立海生のホンネ…?なんで、私が選ばれたんですか?あっ。えっと…文句があるとかそういう訳じゃ全然なくて…。(勢い良く首を左右に振って否定を示せば目の前の新聞部はインタビューの続きを促すはずで、流されるようにインタビューを再開させる。)趣味は読書かな。最近は太宰治とか夏目漱石の作品ってやっぱりすごく深くて趣のある作品だなぁって気付いたし…へ?何言ってるんですか?夏目漱石はお札の人ですけど沢山の書物も書いた人なんですよ。え?漫画ならよく読むんですか?…うーん。漫画は読書って言わないような気 が…あっ。いや。えっと…なんでもないです。な、何にも言ってないですって。(修正の言葉を紡ごうとしたけれど、相手の顔色を察したように言葉を飲み込んだ。「私も漫画好きですよ。」と苦し紛れに付け足した。)
…へ?え、ぁ…す…か…?ちょ。ま…え?な、なななな…何を急に。ま、そんな急に…え、っと。…わ、私…まだ中学2年生だし…。あ、えっと確かにクラスとかでも付き合ってる?のかな?そういう子はいるけど…。で、でも。私には…そういう人は…いなくて。(「ずばり!」と強調させてからの質問にはこのインタビューが始まってから一番の反応をみせた。思わず肩をびくつかせてしまうほどに。上昇した心拍数を落ち着かせるべく一度大きな深呼吸をひとつ。)…あ、あの…このインタビューって公開とかされちゃうんですか…?(と、胸に秘めていた疑問を投擲してみるも、明確な返答をせずニヤリと口角を挙げる新聞部の面々にサーと血が引けるような悪寒が背中を走ったのを感じた。)ひぃ 〜。怖いよぉ。その顔が怖いです。泣きそう。…ぐすん。(めそめそと下げられた眉尻に怯える双眸はゆらりと視界が揺らぐ。)あの…。できたらコレでお願いしたいんですけど…。(口許で両の指先でバツを作って此処だけの話にしてほしい旨を伝えながら、この依頼が受け入れられるかどうかは定かではないけれど。囁くように声を潜めて、)あの、こういう話するのものすごく恥ずかしいんですけど…。何かをがんばってる人ってすごくカッコイイと思いませんか?そういうがんばってる人ってものすごくキラキラしてるし…。(そこまで紡ぎふと言葉を噤んだ。暫しの沈黙の後、下げられた眉尻の侭ほんの僅かに笑みを浮かべ「私もがんばらないと…って思えちゃうんですよね。」と付け足した。)
…う。意気込み…。(本来のインタビューの重点は此れかもしれないと脳裏に過ったものの体育祭という単語に至極分かりやすく眉を潜めた。)あ、あの…。大変言いにくいんですが…。私…本当にミジンコ並みに運動神経悪くて…。走っても投げても打っても…あ、そもそも当たらないから打てないんだけど…。なにしてもダメで…。そんな私が体育祭実行委員?って思ったんですけど…。(言葉を選ぶようにゆっくりと区切るように紡がれる科白は変わらず声量は小さいけれど、それでもこの科白も真意も汲み取って欲しいと願いながら。)でも、みんながすごく楽しみにしてる行事だし、…運動音痴でも準備はできるし…。えっと。みんなに迷惑かけないように頑張ろうって思います。…あ、あとは… 。今年の体育祭は1回しかないから…楽しかったなって思えるようなものにしたいなぁ…って。…あっ。今ものすごく変な事言っちゃっいました?だ、大丈夫でしょうか?
はぁ〜。やっと終わった〜。(ホッと胸を撫で下ろすような安堵と共に思わず本音がポロリと零れ落ちた。そうして瞬時に失言であったことに気付いて両の手で口許を押さえたが時既に遅しか。)あ、えっと…ごめんなさい。ホッとしたら思わず…。えっと、ち、違うんです。退屈とか苦痛だった訳じゃ全然なくて…。そ、その…。う〜ん。色々聞かれちゃって緊張しちゃったから。…でも、すごく楽しい時間でした。(そう紡いだのは小峰の真意であることに間違いはなくて。けれど、最期に告げられた新聞配布という単語に「えっ?」と反応を示す。)は、配布…?へ?あ、あの…私の記事なんてものすごく小さくしてください。もう、ほんとに小さく小さく。(親指と人差し指で僅かな隙間を作ったの を見せるように懇願してみせたがこの願いもきっと聞き入れられるか期待薄そうだ。嵐の様に現れて去っていく新聞部の面々を見送りながら、抱く思いは体育祭への焦燥だったり希望だったり、新聞発行の記事の気恥ずかしさだったり、沢山の気持ちを抱き体育祭へ向けて一日一日が過ぎ去っていくことだろう。)